量感たっぷりのフリルで胸元を豪華に表現いたしました
こちらのお客様は、最初一枚裁ちのタイトスカート(脇縫い目無し)のインポートの商品をお持ちになり、これと同じように作ってほしいとのご依頼でした。ヨーロッパの既製品には、立体裁断のテクニックがいっぱい詰まったものが多く、立体裁断が出来ないとそのスカートのパターンは出来ませんでした。お見本にはついていないモチーフをたくさんつけてお仕立てしたのですが、撮影しないでお納めしたため、皆様にお見せ出来ずとても残念です。
2着目にご注文頂いたのは、お客様がお持ちのYUKI TORII さんのスーツに合うブラウスがどこに行っても見つからないということで、ブラウスのオーダーをされました。 YUKI TORII さんのスーツのお色に合う生地が無く、ほんの少しでも色合いが違うとおかしな感じになるので、お客様と一緒にカナリヤさんの端から端まで何周もして、“ありました” 1Fのコットン売り場に、一点だけまるで輝きを放っているように「ここにいますよ」と生地が言ってくれているようでした。さすがカナリヤさんです。沢山の生地の中からいつもオーダーの生地を選ばせてもらっています。
このお客様は、まるでデザイナーのようなセンスとアイデアをお持ちの方で、次から次へと洋服のアイデアが湧き出てくるようなお感じで、量感たっぷりのフリルの向かって左側だけ長くするのは、お客様のアイデアです。片側を長くすることで単調なフリルに動きが出て一気に軽やかな感じになります。また、YUKI TORII さんのジャケットの衿(えり)の雰囲気に合うようにスタンドカラーをお付けした方が、とお伝えさせて頂きました。
この量感たっぷりのフリル、じつは同じ幅ではなくフリル幅に変化を持たせてお仕立てしてあります。また、量感たっぷりですが、やせて見えるテクニックも入れてあります。お客様にもとてもお喜び頂き、作り手としてとても嬉しかった思い出があります。